ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)は、1960年代後半に突如として音楽シーンに現れ、エレクトリック・ギターの限界を無限に広げたロック史上最大のギタリストにして、史上最高の音楽家の一人です。1942年、米ワシントン州シアトル生まれ。
幼少期からブルースに魅了され、独学でギターの腕を磨いた彼は、軍隊経験などを経てバックバンドのギタリストとして活動後、1966年に渡英。ベーシストのノエル・レディング、ドラマーのミッチ・ミッチェルと共に「ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス」を結成しました。同年リリースの衝撃的なデビューシングル『Hey Joe』や、1967年の歴史的ファーストアルバム『Are You Experienced(アー・ユー・エクスペリエンスド)』で瞬く間にイギリス、そして本国アメリカの音楽界を席巻しました。
彼の最大の功績は、エレクトリック・ギターを単なる伴奏楽器から、感情そのものを増幅して爆発させる「オーケストラ」へと昇華させた点にあります。アンプの強烈なフィードバック、ディストーション、ワウペダルなどのエフェクターを駆使し、それまで誰も聴いたことのない宇宙的かつ色彩豊かなサウンドスケープを構築。さらに、歯でギターを弾く、背中に回して演奏する、挙句の果てにはステージ上でギターを燃やすといった過激かつ芸術的なパフォーマンスでも世界中を圧倒しました。
1969年の「ウッドストック・フェスティバル」で見せた、アメリカ国歌『星条旗』を爆音のノイズとディストーションで表現した反戦の即興演奏は、当時のカウンターカルチャーの象徴となり、ロックの歴史における永遠の名場面として語り継がれています。
1970年、27歳という若さで惜しくもこの世を去りましたが、彼が残した圧倒的な音源と革新的なギタープレイの遺伝子は、その後のロック、ファンク、ヒップホップに至るまで、あらゆるジャンルのアーティストたちに計り知れない影響を与え続けています。今なお「神様」と称賛される、永遠のギター・ヒーローです。